練馬区自殺対策計画にかかわり

2019年2月18日(月)

1998年に全国で年間3万人を超えた自殺者は2010年以降、ようやく減少傾向となっています。しかし、いまでも2万人台の高い水準で推移して、練馬区でも2016年までの5年間に年平均125人が自殺しています。自殺者1人につき、その背景には10人の未遂者がいるといわれています。

2017年に閣議決定された自殺総合対策大綱では、①自殺は追いつめられた末の死②自殺は防ぐことができる③自殺を考えている人は悩みながらもサインを発している。と3つの基本的考え方を示しています。これは、自殺は個人の選択などではなく、周囲の気づきで適切な支援につながれば自殺は防げるということです。

自殺対策は、特定の専門家や関係者だけで対策をすすめていくものではなく、「みんなの仕事」であり、ゲートキーパー養成講座を修了した住民を増やしていくことが重要です。

長崎県では当初、弁護士や医師・薬剤師、自治体の窓口職員など主に相談業務に携わる人々を対象にゲートキーパー養成講座を行っていましたが、それを飲食店の店主、タクシー運転手、理容師、美容師や大学生、PTA、スナックのママさんにまで対象を拡大してきました。これにより「正しい情報を日常的な信頼関係のなかでさりげなく伝えられる」ゲートキーパーが5000人以上も養成されています。

日本の自殺の現状をみると、主要先進国の中でも自殺率が高く、15~34歳の若い世代で死因の第1位が自殺となっているのは先進国では日本のみという特徴があります。

勤労者を過労自殺に追い込むなどということは絶対にあってはなりませんが、長時間・低賃金のブラックな働き方を放置したり、勝ち組と負け組を無理やりつくりだすなど、これほど格差と貧困を蔓延させてきた政治と経済政策を根本的に転換することが重要です。

そして社会保障や医療制度の底上げをし、過度の競争教育を改め、学校でも職場でもいじめをなくす。だれもが人間らしく尊厳が重んじられる、対立と分断の社会から、連帯と共同の社会への施策の転換をはかる。これこそが自殺者をなくし、一人も置き去りにしない社会の実現に向けて不可欠なのではと思います。